TierⅨ 巡洋艦 ROON

提督、グーテン・ターク！本日はドイツ Tier 9 巡洋艦「ローン（Roon）」について解説します。

Tier 8のヒッパーで正統派重巡洋艦の戦い方を学んだと思ったら、このローンで突然「主砲が後ろに偏っている」配置に戻ります。「えっ、退化？」なんて思わないでくださいね。これは、ニュルンベルクで培った「引き撃ち（カイト）」の技術を、重巡洋艦のタフな船体で実行できるという、夢のような構成なのです。高い生存性と、圧倒的なDPM（分間ダメージ）。後ろ姿で敵を魅了し、返り討ちにするローンの美学を解説します。

1 史実と来歴：重巡洋艦の設計案を具現化
2 ゲーム内での性能特徴
3 艦長へのアドバイス：戦場での立ち回り
4 おすすめのアップグレード・艦長スキル
- 4.1 アップグレード
- 4.2 艦長スキル

史実と来歴：重巡洋艦の設計案を具現化

ローンは、史実で建造された艦ではなく、ドイツ海軍が計画していた重巡洋艦の設計案（プロトタイプ）の一つに基づいています。ニュルンベルク級軽巡洋艦の「後部集中配置」というコンセプトを、203mm砲を搭載する重巡洋艦の船体に適用したらどうなるか？というifの姿です。名前の由来は、プロイセン王国の陸軍大臣アルブレヒト・フォン・ローンから。陸軍の改革者の名を冠する通り、ドイツ巡洋艦の戦術に一石を投じる存在です。

ゲーム内での性能特徴

攻撃面：10秒で撃てる203mm砲

主砲は203mm三連装砲を3基搭載しています。最大の特徴はその配置で、前に1基、後ろに2基となっています。これにより、敵から逃げる姿勢（引き撃ち）で全火力の2/3以上を投影できるため、撤退戦において無類の強さを発揮します。そして恐ろしいのが装填速度です。Tier 9になり、アップグレード（スロット6）で装填速度を強化できるようになったため、重巡洋艦とは思えないペース（約9〜10秒間隔）で203mm砲を連射できます。ドイツ特有の「高威力AP弾」と「高貫通HE弾」をこのペースでばら撒けるのは脅威そのもの。接近戦用のお守りである6km魚雷も健在です。

防御面：ティア9屈指の重装甲

攻撃配置はトリッキーですが、防御力はガチガチの正統派ドイツ艦です。 HPは非常に高く、「修理班」の回復量も頼りになります。そしてドイツ伝統の「タートルバック装甲」により、近距離戦でバイタル（防郭）を抜かれることはほぼありません。遠距離ではHE弾で燃やし、近づいてきた敵は硬い装甲で弾き返す。軽巡洋艦のような配置でありながら、戦艦のようなしぶとさを持っています。

機動・隠蔽：重厚だが回頭はスムーズ

船体は大きいですが、ヒッパー同様に舵の効き（転舵所要時間）は優秀です。お尻をフリフリしながら敵弾を回避し、全門斉射を叩き込む動きがスムーズに行えます。隠蔽性能は巨体ゆえにそこまで良くありませんが、交戦距離が長めのローンにとっては致命傷にはなりません。

艦長へのアドバイス：戦場での立ち回り

序盤：最初から「逃げ腰」でOK

前方に砲が1基しかないため、敵に向かって突撃すると火力が1/3しか出せません。序盤は、敵艦隊が見えたら早めに反転し、艦尾を敵に向けた状態で交戦を開始しましょう。これなら即座に全門斉射ができ、危なくなったらすぐに全速力で離脱できます。「背中を見せるのは臆病風ではない、戦略だ」と心得てください。

中盤〜終盤：最強の「殿（しんがり）」を務める

ローンの真骨頂は、敵艦隊が押してきている時（撤退戦）です。高いHPと装甲で敵の攻撃を受け止めつつ、後部砲塔の連射で追っ手を火だるまにします。敵駆逐艦が煙幕に隠れても、ドイツ自慢の6kmソナーで暴き出せます。逆に、こちらが攻める時は、地形を使ってうまく船体を斜めに向け、全門撃てる角度を維持する工夫が必要です。